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◇「話せば伝わる」ってもんじゃない

◇「話せば伝わる」ってもんじゃない

ある場所を訪ねたところ
入り口に
「ここではきものをぬいでください」…

大きな川に、橋が架かっていました。
その手間に、こんな立て札が
「このはしとおるべからず」…

懐かしい、なぞなぞや一休さんのとんちの
フレーズです。

最初のフレーズは、
通常、どこでも着物を脱ぐということは
あり得ないと考えますから、
「ここで、はきものをぬいでください」
と読みます。しかし、お風呂の脱衣場であれば
「ここでは、きものをぬいでください」
でいいわけです。

私達は、言葉(文字)の並びで
意味を受け取っている訳ではありません。

その周辺にある、知識(場合によっては思い込み)も
一緒に相まって意味を伝えているわけです。
それを、前提として話をしている訳です。

そして、この前提が多くの場合、合っていないと
相手に伝わりません。
「何度言ってもわからない」と言う場合、
相手とあなたとでは何かしらの“前提”が
合っていないと考えた方が話が早いと思いませんか?

「ここではきものをぬいでください」を
相手に理解してもらおうとすると
大前提として、相手が日本語を知っている
(ひらがながよめる)ことが必要になります。
…言うまでもありませんね。

かりに、温泉の脱衣場で合っても、
お風呂に裸ではいる習慣のない国の人であれば
「ここでは、きものをぬぐ」はあり得ません。
着物を着たまま、いいところ足湯状態でしょう。

と言うように、相手が知らないことは
補足などの情報提供が不可欠です。

…ITのセールスマンだった若い頃、
「専門用語は出来るだけ使わない」とたたき込ましたが
お客さんの仕事に関連づけて
ITの情報を説明するというのも「伝える」一手間だった
でしょうか…。

私達は、自分たちが“知っている”ことを、相手も知っていると
思い込んで話してしまいます。
それで話が通じれば、確かに話は早いのですが、
往々にして、通じないことの方が多いので、
もし、あなたが話し手であれば、相手に「前提(の情報)」が
合っているかどうかを時々確認する。
もし、あなたが聞き手ならば、分からないところは「前提」に
ついて確認をする。
ことで、却って話は早くなるはずです。

相手に伝えるためには、
「相手が何を知っているか」を知ることが役に立つのです。

これこそが、相手に興味を持つこと
そして、その興味こそが
相手とのコミュニケーションにおける
信頼関係構築に繋がるのです。

一休さんの「このはしとおるべからずの立て札。
一休さんは、立て札を立てた人(とんちの出題者)も
その意図(はし(橋)を渡らせたくない)も
分かっていましたから、その意図を分かって
(その意味では「このはし(≒橋)渡るべからず」が伝わったわけです)
それに沿うように、「はしを渡らないで、真ん中を渡った」わけですよね。

もし、あなたがその場面にいて、相手は「同音異義語」を
活用してくることに気づいていたら、
どんなフレーズで、一休さんのとんちをファインセーブするのでしょうね。

…「ファインセーブ」は、サッカーを
お好きでは無い方にとっては、
ピンと来るものではなかったかもしれません。

しかし、これがサッカーワールドカップの
真っ最中だと、かなりヒットする表現ですし
相手にとっても伝わりやすい状況があります。

コミュニケーションは、
ただ「伝えた」、「話した」では
伝わっていないこと、あるいは、
思い通りに伝わらないことが沢山あります。

ですから、
・相手への信頼関係を気づくために、相手に興味を持つ
(相手は何を知っていて、何を知っていないかもその中に入ります)
・相手が、あなたの意図を汲んだ返答や行動をしてくれなければ
相手を「分からず屋」と非難する前に、伝え方を変える。
と、自分起点で、コミュニケーションが、
“伝わりやすく”なり始めるはずです。

…まずは、相手に伝えたいとき、
相手に興味を持って、対応する。から始めませんか?

(初出 アメブロ“ひじま・まさき”のブログ 2014.11.4 一部改変)
http://ameblo.jp/awakeners/


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こちらのHPで紹介しています。→ https://nlp.team-awakeners.com/

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