「問題を創り出している意識の使いかた」
サラリーマン時代のことです。出張先から上司からの電話
「何か今日問題なかったか?」
経験のある方ならおわかりですよね。
「このまま、帰るからな」の枕詞です(笑)
チームを支えるリーダーとしては、
自分が留守の間に、解決しなければ成らない出来事に
気づけなかったとしたら、それこそは問題ですから
留守居の部下に「何か今日問題なかったか?」
そう尋ねるのは自然です。
ただし、この質問。問題があったとしても
正直にに答えづらいのが弱点。
ちょっと調子が悪いときに「大丈夫?」と訊かれて
「う、うん、大丈夫」思わず答えてしまう。
のとよく似ていませんか?
いずれにしても「問題なかったか?」と訊かれると
私達は、“今日の出来事”について“問題”の有無を
則ち問題だった出来事を探し始めます。
“問題”と名付けた瞬間、問題となる。
何かいわゆるトラブルが発生した(と聞いて)
「問題だ!」と騒いでいたときを思い出して見て下さい。
特に、詳しい情報がまだ、入っていないときには
「問題だ!」その言葉、ラベルその物が
私達の心に「問題」の居場所を準備します。
私達の脳は元々の性質として、たくさんの予測をします。
例えば、私達が見ているモノは、光が視神経に届いて
脳がその画像を処理するまでに0.5秒の時間が
必要とされます。
「見えたと」分かった物は、現実の0.5秒前の出来事なのです。
・・・止まっているエスカレーターで躓きかけた
経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
止まっているエスカレーターを歩くとき、
脳はいつものクセで、動いていると勘違いして
0.5秒分、記憶から進んだ映像を予測します。
しかし、エスカレーターは動いていないので
0.5秒の動き分予想外のところにエスカレーターの
段があるために、歩きにくいのです。
これは、脳のクセの一例ですが、脳は限られた情報で
色々なことを予測して、準備を始めます。
“問題”という言葉のラベルをもらった私達は
「問題」を何とかせねばと脳が頑張って準備します。
緊張もするかもしれませんし、
不安感を持つかもしれません。
「問題」という言葉を受けて、脳が予測し、私達の身体が
問題との臨戦態勢をし始める仕掛けになっています。
しかし、この時点で、その出来事について
情報がそれほど入っていないとすれば
だた、「問題だ!」と言う言葉だけだ、警鐘を
鳴らし続けているだけかもしれないのです。
“問題”はそれを解決した先の
未来を手に入れるための向かい風
自転車に乗って、力一杯ペダルを漕げば
スピードが出ます。スピードが出ると
向かい風も強くなります。
もし、風が全く吹いていなければ、
自転車が進むのを止めれば、向かい風もなくなります。
何か行動を起こしたり、周りが活動していなければ
“問題”と呼ばれる出来事は起こりません。
あるいは、そもそも“問題”と名付けられることも
無いでしょう。
私達が、日々未来に向かっていれば、
何かしらの出来事は起こります。
私達が、行動を起こしていれば
何かしらの出来事は起こります。
問題が起こるのは、行動している証拠です。
自転車を漕いで起こる向かい風に文句を言う人はいないでしょう。
起こる“問題”を目の敵にする代わりに、
問題その物を見ていきましょう。
そして、観察します。特徴は?
手強いライバルのような問題でしょうか?
人懐っこい甘えん坊の問題でしょうか?
はたまた優柔不断な問題?
あるいは、
正々堂々としたさわやかな問題かもしれません。
あなたが出会っている問題が
どのように問題か、どのようにつきあえるかと
いう、見方やとらえ方を一度してみて下さい。
・・・思った以上に、問題が“問題”では無い感覚が
手に入ります。
問題を問題にしているのは、もしかすると
“問題”を目の敵にして、あまり構ってあげていないこと
なのかもしれませんよ。
(初出 メルマガ “心がイキイキする言葉のフレッシュサラダ”2012.9.7一部改変)
http://nlpfield.jp/mailseminar.html
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