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伝えることと伝わることとは同じではない〜コミュニケーションをバージョンアップ

 みなさん、Eメールを
       信用しすぎてはいませんか?

 
 僕がインターネットを使い始めてからそろそろ20年。
 使い始めた頃は、Eメールが何時間も(時には何日かも)
 遅れて届くなんていうこともありましたが、
 ご存じでしたか?

 なぜかと言いますと、Eメールは、
 インターネットの中の数々のサーバーを
 あたかもバケツリレー、伝言ゲームのように
 経由して目的のメールサーバーに送られています。

 つまり、リレーの経由地の設定によっては
 あるいはサーバーとサーバーとの通信速度が
 遅かったらメールは自然と遅くなってしまう。
 
 場合によっては時間切れで破棄されてしまう。

 ということが、まだまだ通信回線の遅かった
 20年前には、沢山あり、またその遅延の
 時間も大きかったのかもしれません。

 人の伝言ゲームのように、伝えている内容が
 変化、変容することはありませんが、
 伝えたつもりのことが、思った時間に
 届いていなかったり、遅れたりする仕組みを
 活用しているとしたら、

 どうでしょう? Eメールでの伝達を
 信じすぎるというのはどうでしょうか?

 個人的には、不安を覚えます。

 「聞いてないよ」は誰の所為?

 昨今は、迷惑メールの増加も有り、
 パソコンやスマホのメール機能で
 メールそのものを迷惑メールと誤判定されて
 メールが破棄される場合もあります。

 もちろん、見落としもあるでしょうが、
 そんなとき「聞いてないよ」といわれると
 ついつい「確認してよ!!」と言いたくもなります。

 どんなコミュニケーションも
 用事があるのは「情報の送り手」です。
 その意味で言えば、送り手の都合で
 発した(伝えた)情報であり、
 伝わらなかったときに困るのは「伝え手」です。
 なぜなら、情報を発する、声を出す、手紙を送る
 これらの行動は、目的ではなく手段です
 それが伝わらなかったとしたら、
 そのどの方法も目的は達成していません。

  パソコンも携帯もない人に
  「Eメールしときました」と
  どや顔で自慢げに報告する姿を
  想像してみてください。
  なんだか滑稽だとは思いませんか?
  ・・・本来はアドレスがないので起こり得ませんが

 伝わるために、手段を変える、確認をする。

 サラリーマンをしているとき、
 上司への調整、報告、他部署、協力会社への依頼、
 メールでのやりとりは必要でした。

 初めの頃に僕自身が大失敗をしそうになったのです。

 Eメール、FAXで遠方の他部署へ調査依頼をかけていました。
 締切近くまで放っておいたときに
 上司から、「あれどうなった?」と聞かれて
 何のリアクションもないことに気づき
 慌てて、電話で数十カ所に確認の電話をすることに
 なりました。

  「メールを確認していない・・・」
  「中身を読もうと忘れていた・・・」
 さらには
  「今日はなんか様だった?」

 メールを送るだけ、FAXを入れるだけでは
 相手が受け取ったかどうかは分からない。

 ましてや、依頼したことが
 自分の望んだようにこうどうしてもらえるかも
 わからない。

これが僕にとって、「コミュニケーションの前提」と
して深く刻まれた教訓でした。
そして、伝わっていないなら、
 伝え方を変える(メール/FAX→電話)
 何度も伝える
 伝わったかを確認する。
これもまた、「コミュニケーションを進める」と
して深く刻まれた教訓。

これらは、どんなにIT技術が向上しようとも
通信速度が上がろうとも変わらないコトではないでしょうか?

むしろ、IT技術や通信速度が高まったが故に
それらを盲信して、返って「コミュニケーション不全」に
陥る危険をはらんでいるとも言えるのかもしれません。

まずは、伝えるにつけ、受け取るにつけ
「コミュニケーションは思ったように伝わらない事がある」
ということを「(懐かしの)想定内」として、
自分自身が一歩、相手に近づくことで
随分、意思の風通しが良くなると思うのですが・・・

まずは、相手の話してくれたことを
確認のために自分の言葉で要約して復唱する。
(君が言ってくれた・・・って、〜という理解でいいんだよね)
と言う一言を加えるだけでも
相手との会話、コミュニケーションへの
真剣さが伝わるでしょうし、信頼性も高まる
はずです。すこし、意識してみませんか?

では、また来週。

(初出 メルマガ “心がイキイキする言葉のフレッシュサラダ”2014.5.16 一部改編)
http://nlpfield.jp/mailmag01/

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